平成27年度の自己点検・自己評価

27年度以降の推進状況と今後の展開方向

円卓フォーラム

 達成目標の進捗状況    27年度の実績

  中山間地域・ 島しょ部をフィールドに、「地域を知る」、「地域と関わる」、「地域と協働する」を踏まえた3段階の地域志向型教育を実施した。前年度に引き続き、1年生 を対象にした「教養ゼミ(必修)」のなかに地域体験学習を取り入れ、PBL方式により地域課題を学習した。地域で活躍する人材を招聘する「特別講座(選 択)」、現場で学ぶ「地域志向インターンシップ」など、COC関連科目(選択科目)の充実と体系化を図った。学生、地域、市町の満足度がきわめて高くなっ た。特に重視したのは、カリキュラム全体の体系化、体験学習の実施に関するマニュアル化である。生物生産学部では、COCが牽引する地域志向型教育を、着 実に実質化・内部化しつつある。また、COCを含むフィールド教育全体の成果を可視化するシステムの準備に入った。

 第2回円卓 フォーラムでは、連携地域・市町の参加者から、大学は長期的な視点に立って人材育成戦略を立てるように、との提言がなされた。農漁村や農林水産業が大学に 求めるのは、それらを支援する外部人材(予備)の育成である。そのために広島県、連携地域・市町と協力し、相互の資源や予算を効果的に活用すべきである提 言であった。これを受けて、中山間地域・島しょ部領域では、独自のプログラムを進めつつ、県や連携市町が提供する地方創生に関する諸事業と積極的に連携す るようになった。

  27年度の活 動延べ人数は5,339人、学生延べ3,236人、教職員延べ1,028人、地域・市町延べ1,047人であった。その他に、学生による地域商品提案が1 件、連携市町・地域が参加したマルシェの開催、学生による地域ボランティア活動が活発になるなど、数値以上に多彩な成果が生まれている。

 

 教育カリキュラム改革を含む事業目標達成のための各種取組    

  教育改革】    中山間地域・島しょ部領域では、全学で実施される1年前期教養ゼミにおいて、PBL方式を採用した体験学習、地域学習方法を開発しつつある。事前学習、体 験授業、事後学習、自主学習、発表、地域への還元という流れを作った。こうした改革を反映して、卒論・修論において地域課題を扱う学生が増えた。より深く 地域課題に取り組む学生を増加させるため、連携市町の協力を得て、インターンシップ研修の仕組みづくりを行った。今後は、既存の農学系フィールド科目の中に、地域志向型教育の成果をどのように反映させるかを検討する。教養ゼミの体験学習を担当した教員の意見が関係科目に反映されるよう、FD等を通じて議論していく。

  【事業の成果と改善】  COCが取り組 む体験学習はすでに学生・教職員の間に定着した活動になった。27年度実施の体験学習について、参加学生の96%がその内容を高く評価した。連携市町のす べて、地域参加者の92%が大学との連携が強化されたと判断した。インターンシップを多様な研修形態にしたことから、参加学生が前年比5倍の28名にな り、改善の成果が実った。改 善に取り組んだ点は、①3段階型地域志向型教育の体系化、②農学分野の地域志向型教育の可視化、③体験学習実施のマニュアル化、④インターンシップの効率 的な運営体制、等である。今後は事業終了に向けて、地域志向型教育を担当する教員の認識向上、効率よく運営していける体制の確立を目指していく。

  【自治体等との連携・評価: ステークホルダーの支援の実施】 地 域志向型教育を推進するために、自治体や地域を訪問し、相談協議・アンケートによる意見とりまとめを行った。体験学習、インターンシップ、卒論を含む地域 課題研究等に対して、十分な支援が得られた。連携市町の中には、地方創生活動計画のなかに大学との連携を位置付けているところがある。今後も、連携市町・地域には、教育の場と人材の提供を依頼するが、大学はこれまで以上に成果を還元していく活動に重点を置く。

外部評価等の実施と反映】 COC 活動全般について、学生、教員、市町、地域を対象に継続的にアンケートを実施してきた。その結果を分析し、自己診断、公表しながら改善に努めた。第2回円 卓フォーラムには外部評価的な機能を持たせ、学生、教員、連携7市町、広島県、10の連携地域が参加し、活動の成果と課題を話しあった。ア ンケート分析、円卓フォーラムを踏まえて、今後は、①体験学習を通じて専門的な学習に導く、②地域への関心を特別講座やインターンシップに結びつける、③ 中山間地域らしい科目内容の充実、④学生・教員が取り組む地域課題の紹介、⑤県内大学間のネットワーク作り、等への取り組みを強める。

実施体制・事業の継続発展】  生物生産学部を中心にした中山間地域・島しょ部対策領域では、COCプログラムが教育を軸に、地域連携、社会貢献、そして地域課題研究という包括的な内容をもった活動であることを前提に運営してきた。  COC活動の「PDCAサイクル」を実践し、総合的なマネジメントを行ったことにより、プログラムの実施に好循環が生まれた。27年度は教務関係者を委員 長とするCOC-WGを3回開催した。また、COC担当が定期的に執行部、教務委員会、教員会に活動状況を報告した。教養ゼミの教員との打ち合わせは特に 綿密にし、連携地域の状況、受入機関の情報、事前学習・事後学習のための資料提供を行った。また、コーディネーターと特任助教は連携地域、市町、企業等の 調整を行った。 今後は、COC終了後に向けて、より効率的な、コストがかからない地域志向型教育カリキュラムの確立と運営を目指していく。そのためには、市町・地域と連携する際に、教員と事務方がいかに役割分担をしていくか、具体的に検討する。

太田川漁協

 

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