地(知)の拠点大学による地方創生推進事業
「教養ゼミ」は1年次前期に配置された、広島大学における全学共通の学部導入科目です。全学部1年次生を10人ほどのグループに分け、それぞれ本学教員が担任となり、大学教育における修学意欲の向上や専門分野への動機づけを行うという科目になっています。具体的には、大学入学後の早い段階で学問のおもしろさ、楽しさを体験的に理解できる機会をつくり、自主性を重視した知的活動への動機付けを高めるとともに、学生・教員・地域がコミュニケーションを促進できる場となることを目標にしています。
生物生産学部では、地(知)の拠点大学による地方創生推進事業を進めるにあたり、既存の教養ゼミに、体験学習をベースとしたPBLを導入しました。授業は、事前学習、体験学習、事後学習、学生の体験発表報告会で構成されています。大学では、体験学習の内容の打合せ、体験後のアンケート、円卓フォーラムなどを通じて、連携する地域・市町の支援をいただきながら、相互に意見を出し合って地域志向型教育プログラムの改善、構築に取り組んでいます。
また、後期には教養ゼミという授業形式ではなく、自由参加形式の秋冬の体験学習を実施しています。教養ゼミなどで地域への興味関心を深めた学生に、より多くの体験の機会を提供できるよう努めています。また、秋冬の体験学習は、連携地域との交流促進としても重要な活動となっています。
現在は、広島県内の7市町11地域の皆様と地(知)の拠点大学による地方創生推進事業による強い連携によって、生物生産学部の各年度の1年生全員が体験学習を行っています。学生は体験学習を通じて、地域の皆様への感謝の気持ちと地域貢献の重要性を深く認識するだけでなく、継続的な地域活動に対する意欲的な姿と自律的な考えやアイデアが生まれるなどの大きな効果が生まれています。
地域・学生・大学でつくりあげる
教養ゼミ体験学習
地(知)の拠点大学による地方創生推進事業の実施後に合わせた教養ゼミ地域体験とPBL方式の結合により、教養ゼミ(1年生)の地域志向教育の改革につながり、学生の専門教育への動機付け、地域課題解決の提案能力アップ、地域貢献への意識の高まりなど予想以上の成果をあげています。また、教養ゼミ後のファローアップとして、全学の学生を対象とした地域体験学習を行っています。
なお、この体験学習の様子は、中国新聞やTVなどのマスコミに多数取り上げていただき、地域や市町から注目されるとともに、今後の成果に期待が集まっています。