27地域志向インターンシップ 世羅町6次産業ネットワーク

 インターンシップの概要

 世羅町では、9月7日から9月11日の4泊5日の間、インターンシップを受入れてくださいました。参加した学生は、生物生産学部1年生1名、4年生4名、文学部3年生1名の合計6名です。

201509101339 世羅町のインターンシップでは、世羅6次産業ネットワークや世羅町役場の方々が企画し、町内のネットワーク会員が研修を受入れてくださいました。農事組合法人世羅幸水農園に3名、株式会社恵に2名、(有)世羅向井農園に1名の学生がお世話になりました。宿泊は、世羅の農家民泊でお世話になりました。まず、学生はインターンシップの開会式に参加し、その後それぞれのインターンシップ先で研修をおこない、最終日に世羅ワイナリーでワークショップをおこないました。

 学生はそれぞれの受け入れ先で多くの事を学び、初めての農家民泊もあり、充実した時間を過ごしたようです。

 
実習の内容

学生は、各受け入れ先で以下のような実習をおこないました。

<世羅幸水農園>

9/7(月)

・原田会長から農園の概要説明を受け、圃場見学

・11月に完成予定の加工場で使う梨の一次加工処理作業

9/8(火)

・ワイン用ブドウの摘果、収穫作業

9/9(水)

・梨の収穫作業

・世羅町内の直売所や観光農園の見学

9/10(木)

・町内の各農園から市場出荷される豊水梨の品質見合わせの様子を見学

・シナノゴールドの袋外し作業

・豊水梨の収穫作業

・ワイン用ブドウの摘果作業

9/11(金)

・世羅のグリーンツーリズムについてのワークショップ

<(株) 恵>

9/7(月)

・ワイン用ハニービーナスの摘果作業

9/8(火)

・キャベツの収穫作業、選別作業、コンテナ詰め作業

・ブドウの選別作業

9/9(水)

・ブドウのバック詰め作業

・玄米の袋詰め作業

9/10(木)

・キャベツの収穫作業

・水田のイノシシ対策用電気柵を張る作業

・電気柵の漏電を防ぐための草刈り

9/11(金)

・世羅のグリーンツーリズムについてのワークショップ

<(有) 世羅向井農園>

9/7(月)

・ミディトマトの袋詰め作業

・ブドウのバック詰め

9/8(火)

・ミディトマトの道の駅への出荷作業

・ブドウのビニール張り(台風対策)

9/9(水)

・ミディトマトの袋詰めと道の駅への出荷作業

・トマトジャムのシール貼りと直売所での販売

・トマトジャム作り

・ブドウの収穫と袋詰め

9/10(木)

・台風で落ちたリンゴの収集と加工用・廃棄の選別

・ミディトマトの挿し木

9/11(金)

・世羅のグリーンツーリズムについてのワークショップ

学生の報告

・文学部3年生

 地理学を専攻しており、将来は地域の魅力を伝え、地域の維持・発展に貢献できる仕事に就きたいと思っている。実際に現地に行き、地域の方々の苦労や努力を知り、自分の目や体で地域の魅力に触れることは、今の自分にできる重要な経験になると考えた。また、中山間地域の農業振興において、6次産業化など新たな経営スタイルが必要だといわれている。6次産業化に積極的に取組んでいる世羅幸水農園で、これまでの経緯や現状など詳しいお話をお聞きしたいと思った。

せらみtg 研修を通じて、世羅の観光農園は新たな技術や取組を積極的に取入れ、とても発展していると感じた。実際に農作業を経験して、想像していたスローライフとは程遠いものであることもわかった。また、世羅町の人口が高齢化にともなって毎年200~250人減少し、2億4000万円の消費がなくなっている現実を知った。2015年に開通したやまなみ街道の影響を受けて、これまでの主要道路であった184号線の利用が減少し、その沿線に位置する多くの直売所などの利用客が減少傾向にあることなども知った。インターンシップに参加することで、ただ訪れるだけではわからなかった多くの事を学び、世羅についてより理解を深めることができた。

・生物生産学部1年生

 これまで、教養ゼミ体験学習などで簡単な農作業体験をしたことがあるが、しっかり体験したことはなかった。将来、農業関係の仕事に関わりたいと漠然と考えているが、一度もきちんと体験をしたことがないのは駄目だと思い参加した。

201509081658  研修を通じて、農業は消費者から見えないところで作業をしていることに気づかされた。一度出荷したら、消費者がどのような表情で自分がつくった作物を食べているのかわからない。向井さんご夫妻は、お客様の表情がわからない農業はあまり楽しくないと思い、ブドウ狩りやリンゴ狩りができる観光農園を開業させた。お客様に直接手に取ってもらい、食べてもらう姿をみることが、農業を続けていくモチベーションになっていることがわかった。また、農家民泊でお世話になった永井さんは、いつもお客様と一緒に夕食を食べ、家族と同じように談笑して過ごす時間を大切にしている。インターンシップを通じて、人と人が交流することの大切さを学んだように思う。生産者と消費者がもっとつながった農業のあり方を目指していきたいと感じた。

・生物生産学部4年生

 卒業研究で世羅の農業を題材にしたいと考えており、世羅地域の農業の現状を学びたいと思い参加した。

 研修では、梨やブドウを出荷するまでに様々な技術や工夫があることがわかった。ベリーAという品種のブドウは、糖度をあげるために摘粒をおこなっていた。ワイン用ハニービーナスは傷んだ実を取り除くことでワインの色に濁りが出ないようにしていた。豊水梨の収穫は、熟しているかどうかの判別が難しいものだとわかった。また、品質の良い梨を生産するための土壌改善の方法、防蛾灯の種類による防蛾範囲の違いなど詳しいお話をお聞きすることができた。圃場ごとに梨の木の樹齢が異なり、それによって実の付き方に違いがあることは興味深かった。梨の選果場では、最新のセンサーを導入しており、中が傷んでいる梨をはじき、重さや糖度を測っていた。市場出荷の際には、選果場で選別された梨をさらに人の目で見て品質のばらつきがないようチェックしていた。世羅梨ブランドを守っていくための、細かな努力の姿を知ることができた。

 

           世羅町インターンシップのイメージ

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