1.インターンシップの概要
農事組合法人ファーム・おだでは、9月15日から9月18日の3泊4日の間、インターンシップを受入れてくださいました。参加したのは、生物生産学部2年生の2名です。
インターンシップでは、ファーム・おだの方々が様々な研修をさせてくださいました。ファーム・おだの組織概要や事務所での作業、米粉パン工房のお手伝い、アスパラ収穫、浮き楽栽培の見学などです。また、近畿中国四国農業研究センターと広島県農業技術センターの研究員の方がおこなった米粉パンのアンケート調査を手伝わせていただきました。宿泊は、吉弘組合長のお宅に泊めていただきました。学生は、ファーム・おだの皆様との交流から多くの事を学んだようです。
2.実習のスケジュール
日にち | 研修内容 |
9/15(火) | ・ファーム・おだの組織および事業内容、将来計画の説明 ・事務所にてレタスの売上集計および除草剤散布のデータ処理 |
9/16(水) | ・米粉パン工房「パン&米夢」でパンの袋詰め、陳列、販売作業 ・米粉パンのアンケート調査の補助 |
9/17(木) | ・アスパラの収穫、および洗浄、選別、包装等の出荷調整作業 ・アスパラハウス内の草取り |
9/18(金) | ・浮き楽栽培のレタスの苗を植えつける作業 |
3.学生の感想
・生物生産学部2年生
中山間地域・島しょ部連携インターンシップは、これまで専門教育などで学んだこととのつながりがあると感じ参加を希望した。ファーム・おだは、去年の教養ゼミ体験学習で田植えをした地域であり、水稲以外にも様々な取り組みをしていると教えていただいていた。
研修では、多くの事を体験させていただいた。ファーム・おだの概要や地域の自治組織についてのお話しや事務所でのデータ整理、米粉パン工房のお手伝いとアンケート調査、アスパラの収穫から出荷までの作業、レタスの浮き楽栽培である。
ファーム・おだの方たちと過ごすなかで、組織の活動を維持していくには補助金が必要であり、いろいろと苦労をして確保していることがわかった。法人化したメリットの一つが、補助金を受けられやすくなったことだそうだ。皆さんと話していると、吉弘組合長のおかげとおっしゃる方が多く、印象的であった。また、農作業を体験して感じたが、少人数で作業をおこなっていることに驚いた。地域では、若者はもちろんのこと、人手が不足していること、小田地区を出て行かれる方が多いことが課題となっている。ファーム・おだが設立されて、移住してこられる方もいらっしゃるが、それでも過疎化への危機感は大変強いと感じた。こういった点は、情報として知っていても実感することが難しいため、インターンシップに参加してよかったと思う。
・生物生産学部2年生
去年の教養ゼミ体験学習では、ファーム・おだに来て田植え体験をさせていただいた。その時は、半日という短い時間であり、ファーム・おだの全体像を知ることができず、残念であった。そのため、インターンシップに参加することに決めた。3泊4日の体験を通じて、中山間地域の条件不利性について、自分なりの考えをもちたいと思った。
研修中に強く感じたのは、作業をされている方たちの高齢化である。農作業を体験して、腰を曲げたり、重いものを運んだりする作業がかなりあった。想像していたより農作業は体力的にきつく、ご高齢の方には負担が多いことを知った。また、ファーム・おだでは、市場で大量に流通しているものと価格競争が難しいという課題を抱えていた。そのため、道の駅や地元のホテル、レストランなどに「地元でとれた食材」として販売先を開拓し、販売場所で差をつけている。
4日間を通じて、中山間地域の暮らしを垣間見ることができた。大学の講義で中山間地域について学習し、少しは理解したつもりであった。しかし、実際に行ってみると、便利なものに囲まれている普段の生活とは全く違うことが実感できた。今回は、普段と異なる環境がある意味新鮮であったが、若い人が中山間地域で生活するのは簡単ではないと感じた。こういった経験を通じた実感を得ることができ、中山間地域の改善に対するより親身な考えを持つことができたと思う。今回のようなインターンシップの受け入れ機会を増やすことは、ファーム・おだのように地域に根差して努力されている姿を理解する、良いきっかけになると思った。