1.インターンシップの概要
金原農園は、大崎上島町にある柑橘生産農家です。シトラスかみじま内にハウスをもち、高級かんきつのせとかなどを栽培しています。インターンシップでは、9月24日から9月27日までの3泊4日のあいだ受入れていただきました。現地との調整には、大崎上島町役場の方がご協力してくださいました。
参加した学生は、生物生産学部の1年生1名です。金原さんのお宅に泊めていただきながら、柑橘生産の現状や今後の経営の在り方など、お話しを交えながら研修をさせていただきました。学生は、現場に行ったことで多くの事を学んだようです。
2.研修のスケジュール
日にち | 研修内容 |
9/24(木) | ・柑橘農業経営についてのお話を伺った |
9/25(金) | ・イノシシ対策柵の補修 ・ハウスせとかの摘果 ・デコポン、はるみの摘果 |
9/26(土) | ・日南、菊間中生の摘果 |
9/27(日) | ・段々畑のデコポン、はるみの摘果 |
3.学生の感想
・生物生産学部1年生
教養ゼミ体験学習のときに、金原農園でハウスせとかの摘果を体験させていただいた。私と私の家族は「せとか」が大好きで道の駅で見つけると必ず買っている。金原さんはいつでも来ていいよ、とおっしゃっていたので、インターンシップを利用して少しでもお手伝いができないかと思い参加した。
現場に行ったことでわかったことがある。新しい市場を拡大するために、ジャムやジュースなど加工品を作り、6次産業化に取組むことが推奨されている。しかし、現場の人からすると、ジャムを作る時間的、設備的な余裕はない。せっかく作ったみかんをジュースにするのはとても悔しいことなのである。
みかんづくりは外敵と自然災害との戦いである。1日目の晩に、イノシシが畑へ降りてみかんの木を根元からほじくり返していた。ミミズを食べに来たらしい。収穫時期になれば、みかんを取っていくそうだ。イノシシ対策として畑の入り口に金網をつけ、周りに電気柵を立てているが、それでも入ってくる。自然災害の話は、平成3年の台風による被害についてお聞きした。台風によって海水が巻き上げあれ、木ごと腐ってしまった。木を掘り起こして苗木を植えなおさなければならなくなった。
そして、高齢化と後継者の問題である。農業経営は、資本、技術、体力が必要だが、年を重ねるごとに病気になったり、体力的に今まで通り畑を管理できなくなったりする。これからの農業は、いかに省力化をするかにかかっているとお聞きした。そして、若い世代に技術や知識を伝えていくことが重要だとおっしゃっていた。
研修を通じて、自分の知らないことがあまりにも多いことがわかった。現実を知らないままに、外部の人が地域活性化策として提案をしても農家の方からしたら実用的ではないと感じた。私が地域の方のために何かできることは、即戦力にはならないかもしれないが、収穫期などのお手伝いはできるのではないかと思った。