27特別講座 トム・ミルクファーム&東広島市農林水産課

 

東広島市の農畜産業

東広島市 農林水産課 主査 松下健司 氏

<平成27年6月3日16:20-17:50 生物生産学部C206>

おきまつした  東広島市は広島市の通勤圏で、かつ東広島市内にも企業が多く立地するため、農家の7割が第2種兼業農家であり、稲作が主要。米価の低迷、農業人口の高齢 化、耕作放棄地の増加といった現況下、市では、国の指針のもと、種々の交付金で農家を支援。飼料用水稲など、新規需要米への転化も勧めています。

 他方、農林水産業の6次産業化の取組みを支援。補助金獲得のための事業計画立案サポート、6次産業化説明会、施設研修会等も行い、現在、商品開発を学ぶ通信 教育を立ち上げているところです。東広島の農産物のブランド化にも取り組み、推奨マーク「ゆめまる」を認定、安全安心の地場産品を紹介しています。

トムミルクファームの畜産経営

~地域内の耕畜連携による「たちすずか」WCSの生産と利用~

(有)トムミルクファーム 代表取締役 沖 正文 氏

<平成27年6月3日16:20-17:50 生物生産学部C206> 

 トムミルクファームは1998年にフリーバーン牛舎を取り入れ、雇用型酪農経営を導入しました。以来、6次産業化・開かれた牧場を目指し、乳製品加工・販売を手掛けると同時に、牧場を公開した一般向け酪農教育も行っています(全国300の酪農教育ファームに認定)。

  IMG_0734耕畜連携を目標に、飼料用稲「たちすずか」をいち早く周辺で栽培してもらい、導入。試行錯誤の上、使用量を年々拡大しています。

 現在の課題は、ロール(乾飼料をビニールで巻いた大玉)の鳥獣害対策・保管場所、輸入飼料の高騰など。現代日本、農業ほど難しい事業経営はありません。農村と地域を未来に残すため、本気で取り組み、あきらめず、やりきっていく集落法人の担い手を待っています。目指すは、農業主導型の6次産業です。

(*Whole Crop Silage:従来、種や実を取るために栽培された作物を、茎葉と種や実と一緒に収穫して、サイロで調整<発酵>し、飼料としたもの)