27特別講座 フルーツ工房MUKAISHIMA&おのベジ槇山農園

「地域商品を開発する」 

図1 

<平成27年5月20日  16:20-17:50  生物生産学部 C201教室>

フルーツ夢工房MUKAISHIMA(尾道市)  半田史子氏

 「農業の6次産業化を楽しく行っています。」半田史子さんは、すだち、かんきつを主とした、商品開発をしています。嫁いだ先は尾道市向島の柑橘農家。収穫したばかりのみかんのおいしさをたくさんの人に届けたいと、地域をまわって売り始めたのが始まり。農園でみかん狩りを始める一方、すだちのおいしさをもっともっと多くの人に伝えたいと、自宅倉庫を工房に改造、すだちジュース、サイダーなど、様々な商品を開発、道の駅クロスロードみつぎ、尾道市内の土産店等、いろいろなところで取り扱い商品となり、好評を博しています。

IMG_0797 お菓子部門は半田さんのお姉さんが担当、今では道の駅クロスロードみつぎの人気商品に。他にも、様々な人・企業との出会い、協賛によって、商品開発が実現してきました。尾道大学のデザイナーにお願いして全商品を統一ラベルに。新聞にも何度も取り上げられ、TV取材も体験しました。「農業での出会い、経験すべてが楽しい!」3年計画で具体的な夢・計画をノートに描き、それを口に出すことで、夢が実現するようになったという半田さん、最近では、入浴剤「すだちの湯」、すだち粉末を商品化、趣味のサイクリングを通しても人の輪が広がってゆきます。

 

おのベジ槇山農園(尾道市) 卯元幸江氏

 卯元さんの地元、尾道市浦崎町は、温暖な海沿いの段々畑、キャベツ、ミカン、いちじく等の栽培が盛んです。小さいころから農業に親しみを持って育ったという卯元さん。現在は、苗の出荷などに加え、季節の野菜100種類以上を栽培、珍しい野菜を食べてもらうために、野菜の調理法、保存法なども紹介しています。

IMG_0818 TV番組「地産地消漫菜食堂」が取材に来たことをきっかけに、産地に来て取れたてを味わってもらうとおいしさがぐっと伝わることを実感、逆手を取って移動販売を開始。尾道海岸通りのレストラン、カフェ、居酒屋等に、取れたて新鮮野菜を届けるようになりました。徐々に固定客が増加、現在では、地元高級ホテルでも卯元さんの野菜を使っています。

  野菜以外でも、尾道の特産品いちじく(蓬莱柿)をジャム、ドライフルーツに加工。ぶどう、梨、柑橘等、他の尾道産果物の加工も手掛け、市内有名お菓子店でも使われるなど、販路を広げています。卯元さんは、野菜ソムリエ中級の資格を取得、ソムリエ仲間と野菜・果物の魅力を伝える中、県外との交流も生まれてきました。プロの料理人との交流も増え、生産者と料理人、お客様、三者の懸け橋になろうと、フェイスブックやブログも使いつつ、尾道の農産物の魅力を発信し続けています。

 

 半田さんと卯元さんが出会ったのは2年前。野菜・果物の加工品を手掛ける女性同士がコラボ、2人の商品を詰め合わせたギフトパッケージが実現。生産者であり、消費者でもあり、主婦でもある二人は、自分たちのいろいろな立場を活かした仕事を地道にコツコツとしてゆきたい、と語りつつ、夢を広げておられます。