H28 船戸ゼミ 三次市 道の駅ゆめランド布野

教養ゼミ体験授業(平成28年7月9日)

担当ゼミ責任者 船戸耕一

地(知)の拠点担当教員 大泉賢吾・天野通子・細野賢治・山尾政博

道の駅ゆめランド布野は、三次市を南北に走り松江方面に向かう国道、歴史街道と呼ばれる国道54号沿いに位置しており、市や地域団体が出資する株式会社布野特産センターが運営している施設です。農をコンセプトに地域農業の活性化を経営理念とし、地域の多くの組織や個人と連携した道の駅経営を目指しています。

今年の教養ゼミも、道の駅廣田代表の講義、また江の川漁協辻駒組合長の講義、組合のご指導を受けての投網体験、アユの塩焼きと試食、道の駅地元布野産にこだわった昼食で地元の方々と交流、近隣の大前農園でのフィールド講義、アスパラ収穫、そして布野特産アイスづくりを行い、終了しました。

さらに、昨年の教養ゼミで学生が地域に提案したアイスを道の駅と学生が共同研究、その結果できた、酒かすアイスの販売初日が教養ゼミ当日(7月9日)になりました。

三次市の瀨﨑副市長のご臨席の下、新アイスのお披露目会が道の駅ゆめランド布野によって盛大に開催され、昨年以上に盛りだくさんの充実した楽しい体験学習になりました。

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酒かすアイスお披露目会

まず最初に、酒かすアイスのお披露目会です。昨年の教養ゼミの1年生(今年の2年生)が、COC体験学習で道の駅を訪れ、その体験学習発表会で新アイスを提案したことが、酒かすアイス共同研究のきっかけでした。

そこから、この教養ゼミ1年生(現在の2年生)と指導教員船戸耕一准教授の専攻学部生・院生がアイス共同プロジェクトに参加。道の駅のスタッフと学生たちが4月から試作や分量などの検討を重ね、地元の「布野の酒」と作木町の「わかたの酒」の酒かすを配合、商品化したものです。日本酒 のこうじ菌をイメージしたキャラクター「オリゼさん」や「オリゼさんのアイ酒」というネーミングも学生が考案しました。途中の検討過程では、今回体験学習を行った今年の1年生「船戸ゼミ」も参加して、意見や提案を出しました。先輩のアイデアや発想に驚き、敬意を持って先輩のお手伝いをしたようです。

お披露目会は、のぼり旗や横断幕まで用意していただいたばかりか、三次市の瀨﨑副市長のご臨席やアイス講評までいただくなど、教養ゼミの学生など広島大学を大歓迎いただき、学生は驚きと共に大変感謝をしていました。

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お披露目会で記念撮影

 

お披露目会のあとは、道の駅の来場者に「オリゼさんのアイ酒」をぜひ食べていただくようPR、販売促進も行いました。また、市役所の情報提供で地元ケーブルテレビの取材を受けるなど広島大学や地(知)の拠点に対する地域での認知度が高まりました。

アイスの売れ行きも大変好調のようで、今後が楽しみです。

 
道の駅 廣田代表取締役の講義

次に、道の駅を経営する株式会社布野特産センターの廣田代表取締役から、講義をしていただきました。

道の駅ゆめランド布野は、地域の活性化、地場産業の活性化、地域情報の発信基地、都市との交流や人口減少の抑制のための拠点として位置づけられ、道の駅の全職員と共に地域の皆さんが、がんばってくれていることを説明されました。

近年は、近接する高速道路の開通で国道54号の通行量が大幅に減少して、道の駅の来場者も減っており、今後は道の駅の目玉になる商品やイベントを考えて、道の駅ゆめランド布野を目的に多くのお客様が来ていただけることを目標にしていきたいとのことでした。

現在も、バイキングを目的に来てくださる方は多く、布野ふれあい市場で販売している、三次市布野町・作木町産の採れたて農産物を使った野菜中心のヘルシーなお惣菜バイキングになっており、昔なつかしお惣菜や、郷土料理を揃え、好評を博しているとのことでした。また、まるごと布野のアイス屋さんでは、「布野だからできるアイス」の味を提供したいとこだわって製造しており、お客様に大変好評とのことです。今回広島大学と共同開発した「オリゼさんのアイ酒」も、人気商品になり誘客の助けになることを期待しているとのことです。

来客者が減少しているという大きな課題に対して、学生の皆さんが道の駅ゆめランド布野や三次市・布野地域の良さを感じて、広く知らせて欲しいと話されました。

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道の駅 廣田代表取締役の講義

 
江の川漁協 辻駒組合長の講義

江の川漁協の辻駒組合長から、江の川におけるアユ漁の状況や、アユの生態と河川環境、またアユが食べるコケについて詳しく講義をいただきました。

アユの漁獲量が年々減少しているのは、やはり河川環境が悪化しているためで、アユが食べるコケが生える領域が非常に少なくなっているとのことでした。漁協ではアユ釣りなどの遊漁料とそのためのアユの放流などに主な活動をシフトしており、また地域貢献として小学生などのアユの放流体験を引き受けているとのことでした。

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江の川漁協 辻駒組合長の講義

 
江の川漁協のご指導で投網体験

計画では、ゆめランド布野の親水河川区域に入って河川清掃を行う予定でしたが、河川が増水して危険なため、投網体験を行っていただきました。

もちろん、学生全員が投網初体験です。組合長や組合員の方が多数お越しいただき、皆さんからご指導をいただきました。組合の方が投網を投げると、いとも簡単に網が大きく広がり、魚が捕れる様子が目に浮かぶようでした。

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学生の投網 難しいですね

 

しかしながら、学生が投網を投げるのは大変難しいようで、まずは網の持ち方、網の肩への掛け方、網のたぐり方、そして投げ方まで、ていねいに教えていただいたのですが、当然と言えば当然ですが、うまく投げられる学生はいませんでした。

1時間ほど練習した結果、組合員の皆さんのていねいであきらめないご指導のおかげで、もしかしたら魚が取れるかもしれないレベルまで投げる学生が出てきました。                          

学生は、とても楽しそうに熱心に投網投げを行っていました。熟練の技術をお持ちの漁協の皆さん、本当にありがとうございました。

 
アユの串刺しと塩焼き

漁協のご厚意・ご指導で、アユを串焼きにして食べさせていただきました。

まず、そのアユの串刺しと塩ふりからですが、やり方を教えていただきましたが、なかなかうまくいかないようでした。漁協のご厚意でご提供いただいたたくさんの鮎を、なんとか串刺しして塩をふって「アユの塩焼き」の完成です。塩焼きを食べることを考えながらでしたので、みんなとてもうれしそうに作業をしていました。

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たくさんのアユの塩焼きの前で記念撮影 「いただきまーす」

 

アユの塩焼きと同時に、午後に体験させていただく大前農園さんのご厚意で、取れたてのアスパラガスを焼いて、食べさせていただきました。

アユのおいしさ、アスパラのおいしさに学生みんな感動です。ありがとうございました。

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地元野菜料理、アユの塩焼き、アスパラ焼き、地元のお米のおにぎりで昼食・交流

 

地元の食材を使った料理やおにぎり、先ほどの「アユの塩焼き」、アスパラ焼きなどをいただいて、3倍のおいしさでした。1人でアユの塩焼きを10本近く食べた学生もいて、組合長も驚きの食欲でしたが、これも地元産、とれたて、焼きたてだからです。

 
大前農園でのフィールド講義とアスパラガス収穫

道の駅ゆめランド布野のすぐ近くで、三次の特産品であるアスパラガスを栽培されている大前さんの作業場とハウスで講義を聴いた後、アスパラハウスで収穫を行いました。

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ていねいにアスパラを収穫する学生

 

アスパラガスは毎日収獲しなければいけない生長の早い作物ですが、適切なサイズの時に確実に収穫することが大事で、これが味や品質の基本となるとのことです、また、さらに大事なことは土作り・堆肥作りで、大前さんは自分で工夫して堆肥を製造されているとのことです。

学生は、アスパラガスのサイズをものさしで見極めながら、できるだけていねいに収穫しました。大前さんから生で食べたらどうかとお話をいただいたので、学生は初めて生のアスパラガスをかじりましたが、その甘さとおいしさに驚いていました。

大前さんからは、アスパラガスの集荷調整で出る切れ端の有効利用を考えて欲しいと申し出をいただきましたので、体験授業発表会で妙案が出ることを期待したいです。

 
布野特産アイスづくり

道の駅にある「まるごと布野のアイス屋さん」では、生乳は、布野の大地で育った牛から搾ったものを使用、素材の野菜や果物も、布野町・作木町で生産された新鮮な素材を採用、いろいろな味のアイスが販売されています。 道の駅で毎日手作りアイスを作っていらっしゃる担当の方のご指導を受けて、地元の牛乳などの食材でアイス作りを行いました。

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学生は3グループに分かれて、アイスのできあがりを競いました。初めて手作りしたアイスのおいしさに感動しながらも、他のグループのアイスの出来を試食評価し、できたての食べ比べを楽しんだようです。

最後に、学生から皆さんにお礼を申し上げ、記念撮影を行いました。

三次市や布野の活性化のため、三次市をもっと知って何か力になりたいという気持ちが生まれたようです。

行政や地域の方々のおかげで、とても有意義な体験授業になりました。今後とも、よろしくお願い致します。