ひと。しごと。くらし。100年先の未来につなごう
~広島県で取り組む「中山間地域振興計画」~
広島県地域振興局中山間地域地域振興課 主幹三島史雄氏<平成27年5月29日 16:20-17:50 於 生物生産学部C301> |
広島県は、中山間地域が人口の1割(県全体286万人)、面積では7割を占めます。転出による人口減のピークは20-30代。自然減が加わり、人口減ペースが想定より早く、対策が急がれる中、日本全体では若い世代の「田園回帰」傾向も見受けられ、都市部在住者、特に20-40代の地方移住希望者が増加しています。広島県内でも、三次市、大崎上島町など、多数の地域で都会から来た人たちが様々な仕事を作って、定住しています。
広島県は平成25年度に中山間地域振興条例、26年度に中山間地域振興計画を作り、100年後3世代後につながる、将来に希望を持って活躍する住民像を描き、活動しています。国の過疎法により44年間3.6兆円が県に投入され、道路、医療といった基礎的生活インフラの面では、都会との格差は小さくなりました。それでも人口が減る中、「ないものをなくす」から「あるものを活かす」政策へ。海も山も宝だらけ。宝を売っていこう。出ていく人を「引き留める」より、地域の価値に共鳴する人を「引き寄せる」へ。 国も「まち・ひと・しごと創生」、県とほぼ同じ戦略を持ち、地域活性化に取り組んでいます。
「ひと」づくり。国の補助を受けた「地域おこし協力隊」、都会の若者が県内の地域に入り活動。UIターンも促進。広島県は都市部からそれほど遠くない中山間地域も多く、子育て好立地県。出生率全国11位です。
「しごと」づくり。農林水産業担い手育成、しごと創生チャレンジ支援、観光の促進を軸に。観光では、平成25年庄原市「道の駅たかの」が<高野の逸品100>で年間4.8億円を売り上げた例も。教育・修学旅行の受入れ等、様々な取り組みを行っています。
「くらし」巡回医療船など医療体制の確保に努めています。デマンド交通等、交通手段の確保を支援。里山環境保全。間伐材を現地通貨で引き受ける「芸北せどやま再生プロジェクト」は地域再生優秀賞を受賞。
地域創生の鍵は人。「他人事から自分事に」「いつかは、だれかが、どこかで(やるだろう)」から、「いつでも、だれでも、どこでも(やれる)」へ、当事者の思いが変わるようサポートするのが行政の役割。関わってみたいという気にさせる“中山間地域”へ、県の取り組みは続きます。