H29 杉野ゼミ 広島市 太田川漁協

太田川漁協 教養ゼミ体験授業の報告 (2017年5月28日)

杉野ゼミ

担当ゼミ責任者 杉野利久 
地(知)の拠点担当教員 大泉賢吾・細野賢治・山尾政博

 5月28日(日)、杉野ゼミの学生10名が、広島市の太田川漁協の組合員さんが河川清掃をされている太田川支流の吉山川を訪れました。毎年、太田川漁協ではアユ放流の前に一斉河川清掃に取り組んでいます。アユ、アマゴ、ニホンウナギなどを対象に、漁業を持続的に営むために、資源の増養殖活動を行っています。学生には太田川漁協の取り組み、内水面漁業を知ってもらういい機会でした。

      

河川清掃と葦刈り

 漁協の地区総代のお二人に先導されて、吉山川の流れのなかに入り、ゴミを拾いました。流れは激しくありませんでしたが、それでも最初のうちは歩くのに苦労していました。総代のお二人には、川での歩き方、歩く際のルートのとり方などを教えていただきました。

 慣れてくると、学生は大きなゴミ、小さなゴミを拾っていきました。ゴミの量はそれほどではありませんでしたが、ビニールの他、パイプなどがありました。

写真:ゴミを拾う学生たち

写真:長いビニール・パイプもあった

写真:集めたゴミとともに記念写真

河川の観察、アユの放流

 学生のほとんどは川に入って遊んだことがなく、生き物観察もした経験がありませんでした。生き物に関心があって生物生産学部に入学した学生たち、川での観察は予想以上に楽しかったようです。漁協が準備してくれたアユ、組合の理事さんからは、“大きくなって子供を増やしてくれ”と念じながら放流するように、と言われました。漁協の皆さんには、体験学習のために多数のアユを準備していただきました。

写真:川の生き物観察 

写真:アユの放流

アユの塩焼き、水辺の教室、アユ漁の話し

 昼食には、学生が組合員の皆さんと串をさし、塩をふって焼いたアユをおいしくいただきました。学生たちは何匹も食べていました。

昼食後の水辺の教室では、川の生き物について学びました。知らない魚や生き物が次々と紹介されます。アユ漁については、友釣りの仕方、投網、建網、竿釣りなどの説明をしていただきました。学生は投網の仕方を教えてもらい、何度か試みていました。なかなか網が広がりませんが、それでもアユが入りそうな気がします。

漁協は漁業権を管理する団体ですが、禁漁区、禁漁期間などのルールがあり、遊漁者にも守るよう監視活動を行っています。漁業を持続的に営むために、アユ、アマゴ、ニホンウナギを増殖して放流します。資源を持続的に増やすには、河川清掃を含む多様な活動が必要とのことです。

写真:おいしくいただいたアユの塩焼き写真:建網漁についての説明

楽しく見聞した太田川の漁業

 天気に恵まれた太田川漁協での体験学習、河川での漁業は実に多様だとの感想をもったようです。また、アユを始めとする魚類や生物のためには、必要な河川環境があることも勉強することができました。漁業者の高齢化が進み、河川漁業に従事する人が減っています。しかし、太田川漁協ではアユなどの放流事業に取り組み、ルールを守って漁業を続けていかれるよう努めています。学生は今までと違う視点で、河川について考えてくれるのではないかと思います。

写真:記念写真

謝辞:吉山川での体験学習の際、日曜日にもかかわらず、株式会社西川ゴム様には、トイレ利用の便宜をはかっていただき、駐車場をお貸しいただきました。学生への差し入れのお心使い、大変感謝いたします。お蔭様で学生たちは快適な環境で1日を過ごすことができました。