大崎上島町 フィシング中村・海藻塾体験授業
(加藤ゼミ)
担当ゼミ責任者 加藤亜紀
地(知)の拠点担当教員 大泉賢吾・細野賢治・山尾政博
2017年6月10日
海を中心にした体験授業
6月10日(土)、加藤ゼミの学生10名が、大崎上島町にて海を中心とした体験学習を行いました。午前中は、フィッシング中村の中村修二さん、前釜光芳さんの案内で2隻の漁船に乗って、刺網漁を体験しました。漁獲した魚は自分たちで捌いて塩焼きにし、鯛飯とともに美味しくいただきました。午後は、大崎上島町食文化海藻塾の皆さんが準備していただいた海藻を用いた多彩な料理とお菓子をいただき、塾の活動について道林塾長にお話しいただきました。
刺網漁と料理体験
刺網の漁場は大崎内浦漁港からほんのわずかな距離にある沿岸でした。学生たちはお二人の指示にしたがって、前夜に仕掛けられていた刺網を引き上げる作業を行いました。目印の浮きを見ながら、揚網機を使って網を手繰りよせる作業は簡単ですが、2人で引き上げる作業は単純ですが、長く続けていると疲れます。中村さんは学生が網を手繰り寄せる速さにあわせて、船をリモコンでゆっくり進めます。
網には、ヒラメ、イシダイ、カワハギなど、いろいろな種類の魚がかかっていました。サイズの大きなヒラメにはみんな大喜びでした。ただ、網にかかった魚を外すのが一苦労で、時間がかかりました。
魚の処理では、活き締めの仕方を教えていただきました。捌いた魚は学生たちがみんなで焼いて、作っていただいた鯛飯とともに美味しく食べました。
海での生計と食文化
フィシング中村での体験学習の後、フィシング中村さんの漁獲活動、体験活動をベースにした観光業への取り組みについて話していただきました。前釜さんはIターンで都会からこの大崎上島に定住し、漁撈技術を習得して漁船漁業を営んでいる。水揚した魚は都会に送るよりは地元の販売ルートにのせることを大切にしているとのこと。高齢化と人口減少が続く大崎上島町だが、魚の需要は地元でも十分にあるのだろう。輸送料金が高くつく都会に送って、高く売ることばかり考えるより、地元消費を大切にする姿勢が伝わってくる話をしていただいた。
大崎上島食文化海藻塾の道林塾長からは、塾の設立趣旨と活動について話していただいた。島には海藻が豊富にあるにもかかわらず、十分に利用されていない。海藻のアカモクを商品化して、「中村さんちのおいしいいアカモク」で販売できるようになったとのこと。海藻塾とフィシング中村さんとの協同の成果です。全国的にも注目されている商品、今後の販売が期待されます。
海藻塾での試食と磯観察
大串海岸では海藻塾の皆さんに作っていただいたドーナツや寒天類などを試食させていただきました。試作品もありますが、すでにメニューとして定着したものもあります。やはりアカモクが注目の的でした。
教養ゼミのチューターの加藤先生は、海藻塾が立ち上がる以前から大崎上島周辺で海藻の調査をされてこられました。地元の人たちとの交流も深く、磯の観察会などにもご参加されていたようです。加藤先生の地道な活動があったお蔭で、学生たちは大崎上島町において様々な海の体験学習を経験できたのです。
海藻メニューを準備していただいた女性の皆さんからもお話しいただいた。
加藤先生に先導されて学生たちは浜観察をしました。この時期は海藻が多い時期ではありませんが、説明を聞きながらじっくりと観察していました。
大崎上島町での海の体験は予想以上に充実したものでした。体験漁業、魚料理、浜と海藻の観察、海藻で作ったメニューの試食、何よりも島の皆様との交流がとても印象深いものでした。ご協力いただきました皆様に感謝いたします。