H27 大崎上島町

大崎上島町シトラスかみじまで「せとか」の収穫

  大崎上島町は、瀬戸内海に浮かぶ芸予諸島にあり、かんきつ栽培が基幹産業の一つになっています。しかしながら、高齢化と後継者不足が進行しており、若者就農の場として今回収穫作業のお手伝いをする「シトラスかみじま」ハウス団地が造成されました。

  広島大学では生物生産学部の教養ゼミ体験授業やインターンシップによって、大崎上島町やみかん栽培・経営についての現地体験学習を行ってきましたが、この学習は教養ゼミの学びをさらに深める課外学習として応募した30名余の学生が主体的に参加し、平成28年2月16日に実施しました。

 せとかポスター

 今回の学習は、是非せとかの収穫にも来たらどうかと金原さんにお誘いをいただいたことから、①「せとか栽培」や柑橘農業の実態を学生が肌で感じること、②地域と学生が多様な視点で交流すること、③学生が実際に地域住民と関わることを通じて、現場の地域課題の問題発見・解決能力を身に着けること、④学生が「地域を知る・関わる・協働する」という地域志向の活動を一層進めることなどを目的に実施しました。

 このスケジュールは、図表のとおりです

せとかスケジュール 

フェリーで大崎上島へ

 大崎上島は、完全離島のため、安芸津港から大崎上島町の大西港に向かいました。船に乗るのも珍しく、また好天に恵まれて、35分のフェーリー乗船では美しい瀬戸内海を楽しむことができました。

 せとかフェリー

フェリーで大崎上島町へ  寒いけど良い景色

 

金原農園で「せとか」の収穫

 まず、文田農園でレモンの栽培の見学説明をさせていただいた後で、金原農園でせとかの収穫体験を行いました。

 ご存じのように、せとかは高級かんきつで1個500円~1000円くらいするものもあり、とにかく丁寧に、慎重に慎重にと、みんな緊張しながら収穫作業を行いました。

 せとか収穫1

トゲにも気をつけて慎重に丁寧に収穫しました

せとか収穫2 

たくさん収穫できました

  30名余の学生ががんばって作業をしたので、この日だけでハウス1棟のせとかを収穫することができました。

参加学生は、現地講師のお話を聞いて丁寧に作業等を行っただけですが、30名という数もあり普段できない程のスピードで多くの作業ができたこともあり、金原様からお褒めの言葉をいただきました。学生も地元の役に立てたことに、大きな喜びを感じたようでした。

 

地元の方々との交流

 お昼休みは、たくさんの地元の方も参加して頂きながら、公民館で昼食をとりました。

 金原さんや文田さんからは、せとかやレモンの栽培技術、流通の状況、日頃のご苦労なども伺い、大変有意義な交流の場が持てました。

せとか話1

  いろいろなお話ありがとうございました。

  また、金原さんのご厚意で、高級かんきつ「せとか」の試食もさせていただき、みかんの王様、女王などと呼ばれている濃厚な味を堪能して、そのおいしさにも感動したようです。

せとか話2

  こんなにたくさん「せとか」を食べて幸せですね

 金原さん、文田さん、みなさん、本当にありがとうございました。

 

学生の感想 抜粋

A.人生で食べたみかんの中でせとかは一番おいしいと思った。つい最近までTPPでどうのこうのというニュースを頻繁に見たが、せとかよりおいしいみかん類は日本に入ってこないと思います。一人暮らしをしている自分にとって、手でむけて簡単に食べられる食品というものの魅力はとても感じるし、味も最高なのでとても良いと思います。マーケティングといったことについては何も知らないので何も書けませんが、とにかく親に食べることを勧めてみます。ありがとうございました。

 B.今回、せとかの収穫体験は本当に貴重な体験になりました。一番印象に残ったのは、シトラスかみじまというシステムが後継者を集め、育てていくものでもあるということでした。実際に何人もの方が島に移住という形で、せとかやレモンの栽培に携わるようになったと聞いて、安心したような気持ちになりました。これからも途絶えることなく、おいしい柑橘を作ってほしいと思います。

 C.今回の収穫体験に参加するまで、「せとか」という柑橘について何も知りませんでした。とにかく高級品だから大事に扱うようにと言われ、慎重に作業を行いました。作業自体は楽しく、農家の方とお話ししながら行うことができ、良かったです。また、せとかの試食も、一粒一粒味わって食べさせてもらいました。本当においしかったです。高齢化の問題に対策を打つため、今後も大崎上島ならではのもの、良さを島外の人々に広めていってもらいたいです。私も貢献したいです。

 D.とても貴重な体験になりました。私自身、柑橘農業に触れることは初めてのことであり、商品ひとつひとつが、いかに時間と労力をかけて作られているのか強く感じました。労働内容的にも、たしかにきつく、なかなか手を出しがたいことではあるけれど、多くの人がもっと興味を持ち、この農業を絶やすことがないようにしたい。