主要な地域貢献・共同研究の多くの事例をまとめて掲載

主要な地域貢献・共同研究等の多くの事例をまとめて掲載

(1)共同研究・地域研究

´ 連携市町・連携地域等から多様な研究ニーズの相談を受け、地域連携推進事業などにつなげているほか、地域が一定の負担をする調査研究も出てきています。太田川河川環境の再生、安芸太田町井仁の地域活性化支援などの調査研究は、いずれも生物生産学部と教育学部が連携して取り組んでおり、教員の研究と共に学生の卒業論文のテーマにするなど積極的な取り組みが行われています。また、連携地域の地域課題をテーマとした学生の卒論研究も多く、その結果に地域からの期待が高まっています。

´①アユなどの川魚や動植物が生息しやすい生物多様性のある豊かな太田川再生の研究

´ 太田川水系全体を網羅するように定点を設置し、クロロフィル等の水質項目、珪藻・緑藻・藍藻等の付着藻類の量・組成、水生昆虫の生物量・種組成・生活型組成や個体群の遺伝的構造などを調べ、河川の‘健全度’をモニタリングする手法の基礎調査を、生物生産学部と教育学部の学生と教職員が行っています。研究結果をアユ漁等の増加に活かすため、㋐禁漁区間・時期の検討・見直し、㋑中間育成アユ等の放流量・放流場所・時期の検討・見直しなどにつなげようと調査研究を実施しており、流域の漁協や地域からの期待が高まっています。 

´②広島大学の学生・院生・教職員の井仁地域での活動を通じた地域活性化支援プログラム

´安芸太田町井仁は、教養ゼミ体験学習、中山間地域島しょ部連携インターンシップ、卒業論文対象地域など、広島大学の教育研究フィールドとしての連携が進んでいる。このため学生の活動や地域課題解決のための卒論研究などによる地域人材育成と地域課成果につなげる調査研究を生物生産学部と教育学部の学生が中心となって実施しています。´稲刈り体験プログラム、・草刈体験プログラム、・困りごと解決プログラム、・外部人材シェア拠点ハウスプロジェクト(棚田カフェ)などに学生が積極的に関わり、地域の期待が高まっています。

③.連携地域等を対象とした地域研究
・中山間水田地域のこれからの農産物流通の研究~農村の持続性を高めるための新たな農産物販売戦略とその波及効果~
・広島県内のGAP(Good Agricultural Practice)認証取得農場の動向
・地域経済振興ための食品輸出戦略の再構築
連携地域等の特産品販売等について方向性が示されるなど関心が高まっている。また今後広島県農業において取り組むべきGAPの研究は、県や東広島市などと連携した研修会の開催などにつながっています。

④.地域課題をテーマにした学生の卒論研究
直近の代表事例としては、以下のようなものがあります。
・6次産業化推進による地域活性と課題-広島県中山間地域における取組を中心に-
・高齢農業者の就業継続が農村社会に及ぼす影響-費用便益分析を中心に-
・高齢化が進行する農村地域における野菜生産世帯の動向~多様な担い手の存在形態~
・野菜出荷規格と産地対応~広島県アスパラガスを事例に~
・持続的な家族農業経営のための継承のあり方~施設園芸部門におけるICT導入事例をもとに~
・地域農業振興におけるインショップの効果~東広島市におけるスーパーの地場野菜コーナーを事例として~
・家族農業における経営選択と発展性~生産要素の視点から~
・広島市の都市化進行地域における農業の実態
卒業論文を地域の方々に発表することなどを通じて、地域活性化のアイデアなどが地域に蓄積されてきた。また、学生のアイデアを積極的に取り入れたいという市町や地域の声が多くなっています。

 

(2)地域貢献活動

 COCでは、学生の提案、学生の主体的な活動を中心にしつつ、地域・市町の要望、教職員の活動などが加わり、連携市町・地域をフィールドとする多様な地域貢献活動を展開しました。

地域活性化につなげる農商工連携マルシェの運営参加

´ 教養ゼミ体験学習やインターンシップの受け入れ先であるトムミルクファームを中心に東広島市の県央(豊栄・福富・河内)で取組まれている耕蓄連携や6次産業化、さらには当該地域での活性化に貢献するため、学生のボランティア活動が積極的に行われています。県央商工会によるセントレマルシェ(29年11月)には、5学部21名の学生が参加し、その運営で活躍しました。

´ 主催者からは、「ボランティアの学生さんたちのスキルは素晴らしいものでした。お願いしたことだけでなく、想定外の事にも自ら考え良い方法を探し出すという現場対応力がありました。学生さんたちがいなかったら、成り立たなかった出店者さんがあったと言っても過言ではありません。」と評価をいただきました。参加した学生は、今後も地域活性化を促進するセントレマルシェなどの活動に積極的に関わっていきたいと意欲を示しており、体験学習・インターンシップなどの地域志向教育の成果が現場で評価されています。

´クラウドファンディングによる地域活性化活動

´ 安芸太田町井仁では、クラウドファンディングによる棚田カフェ建設・運営に教養ゼミ体験学習やインターンシップでお世話になった学生が携わるなど、積極的な交流と支援が行われています。

´ 呉市豊町大長では、とびしま柑橘倶楽部のクラウドファンディングによるかんきつ荒廃園の再生に、教養ゼミ体験学習やインターンシップでお世話になった学生が携わるなど、交流と支援が始まっています。

´ 学生との地域交流が「地域の元気」、「地域の拠点づくり」、「荒廃園の解消と活性化」などにつながっています。また、学生とファンド資金提供者との交流などから学生の視野が広がり、多様な就業展開が期待されます。

´その他の地域活動

´ 呉市豊町における「大長櫓祭り」支援、学生の荒廃棚田開墾ボランティア活動、震災復興と地方創生ワークショップ、ツーリズムに活用可能な地域資源についての現地調査、大学祭での連携地域紹介マルシェ、大学祭での連携地域販売コーナーの手伝いと地域PR活動等多様な地域貢献活動を行っています。

´地域でのワークショップの開催

´ 連携自治体である世羅町の世羅高等学校と連携して、「世羅の日本一を探そう」コラボワークショップを開催した。また、インターンシップの際には、地域特産品を学生が考えることなどを定例のワークショップに組み込んだ活動を展開しています。さらに、COC連携市町に学生が出かける多様なワークショップが定着しています。 

´学生によるワークショップは、学生のユニークなアイデアや提案が聞けると好評であり、ワークショップの成果を地域活性化の実践につなげようとする市町・地域の動きが出てきています。

´公開講座の開催

´ 地域で活躍されている方々を講師に招請して開催する特別講座は、連携地域や市町行政からも聴講希望が多かったことから、平成28年度から公開講座としても7回開講しています。また、近年市町・地域から関心の高いGAP普及の意義、今後の課題について、公開講座を企画し、県や連携市町に参加していただきました。

´ 実施している公開講座は、学生と市町・地域がともに聴講するというオリジナルの授業形式をとっています。連携地域や一般参加者からは、講義だけでなく学生との意見交換ができる交流の場として有効に活用されています。また、学生は一般参加者との意見交換を通じて、現実の地域活性化の取り組みの諸問題を直接把握できる場になっています。

´外部要請に対応した報告(地域講演会等を含む)

´①宮城県議会の要請に基づく震災復興と地方創生ワークショップ(学生・教職員が実施)

´②内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局の要請に基づく、本学地(知)の拠点中山間地域島しょ部領域における人材育成の取組紹介(内閣官房合同庁舎にて実施)

´③市町商工会議所の要請に基づく地域人材育講演会講師(学生・教職員が対応)

´④広島市立大学の要請に基づきCOCプラス研修会(FD)において講演

 

⑦公開講座・ワークショップ一覧

平成29年度

5月9日 瀬戸内海島嶼の地域振興・ツ-リズムについて大崎下島大長とワークショップ ワークショップ 30
5月10日 瀬戸内海島嶼の地域振興・ツ-リズムについて大三島とワークショップ ワークショップ 30
5月11日 瀬戸内海島嶼の地域振興・ツ-リズムについて大崎上島とワークショップ ワークショップ 30
5月15日 ため池水管理と農業について吉川水利組合とワークショップ ワークショップ 20
6月12日 志和地域の営農について地元とワークショップ ワークショップ 20
6月26日 企業の地域振興への取組について(株)サタケとワークショップ ワークショップ 20
7月3日 東広島市豊栄プロジェクトについて、サタケ&佐竹鉄工所とワークショップ ワークショップ 30
7月25日 新規就農者交流について東広島市就農者・東広島市役所とワークショップ ワークショップ 60
7月26日 集落法人について東広島市集落法人・東広島市役所とワークショップ ワークショップ 60
8月2日 認定農業者について東広島市認定農業者・東広島市役所とワークショップ ワークショップ 60
9月16日 井仁特産品開発ワークショップ ワークショップ 20
9月22日 世羅ショコラミルによる地域振興ワークショップ ワークショップ 20
11月5日 大学祭・ホームカミングデーにおいて世羅特産品とチョコレートについてコラボワークショップ ワークショップ 200
12月20日 新規就農者のための農業経営についてJA広島中央会とワークショップ ワークショップ 50
12月7日 円卓フォーラム ワークショップ 170
10/11 川づくり、川根の地域づくり 公開講座 574
10/18 農村女性フォーラム 公開講座
10/25 食品メーカーとして 公開講座
11/8 赤紫蘇のこだわりと地域産業の活性化 公開講座
11/15 地域とともにあり続ける 公開講座
11/22 畜産経営と6次産業化等への取組み 公開講座
11/29 里山リーダーをつくる 広島県の挑戦 公開講座
7/19 地域体験学習発表会(発表と提案) その1 公開講座 135
7/26 地域体験学習発表会(発表と提案)その1 公開講座 135
11/10 JGAP勉強会 公開講座 120

平成28年度

1/19 円卓フォーラム ワークショップ 180
9/17 安芸太田町「いなか」で何が学べるのか、学ぶためにはどのような仕組みが必要か ワークショップ 10
9/9 5年後の世羅町6次産業のあり方・自分が買いたい世羅農産物を使った加工品商品提案 ワークショップ 10
4/16 布野地域酒粕アイス開発・試作ワークショップ ワークショップ 30
5/23 布野地域酒粕アイス開発・ネーミング開発ワークショップ ワークショップ 30
6/23 布野地域酒粕アイス開発・キャラクター開発ワークショップ ワークショップ 30
7/9 布野地域酒粕アイス完成・評価・お披露目ワークショップ ワークショップ 50
5/19 ため池と水管理をテーマに吉川水利組合とワークショップ ワークショップ 20
6/13 中山間水田地帯の野菜生産のあり方について広島中央農協とワークショップ ワークショップ 20
6/20 集落法人の合併について農事組合法人ファーム志和とワークショップ ワークショップ 20
5/10 瀬戸内海島嶼の文化・歴史・ツ-リズムについてフルーツ夢工房とワークショップ ワークショップ 30
5/11 瀬戸内海島嶼の文化・歴史・ツ-リズムについて株式会社島ごころ・社長・奥本隆三さん等とワークショップ ワークショップ 30
4/20 中山間地域・島しょ部対策領域の取組み 公開講座 511
4/27 トム・ミルクファームの畜産経営,東広島市の農畜産業と6次産業化の動向 公開講座
5/11 赤紫蘇へのこだわりと地域産業の活性化 公開講座
5/18 地域で活躍する農村女性フォーラム 公開講座
5/25 食品メーカーとして研究開発への取組 公開講座
6/1 地域とともにあり続ける(特別講座) 公開講座
6/8 中山間地域の振興に向けた取組について 公開講座
7/20 地域体験学習発表会(発表と提案) その1 公開講座 135
7/27 地域体験学習発表会(発表と提案)その1 公開講座 135