冨山ゼミ 広島市 太田川漁協

体験授業と地域講義

担当ゼミ責任者 冨山 毅
地(知)の拠点担当教員 大泉賢吾・天野通子・細野賢治・山尾政博

河川漁業を守る人々、太田川漁協での体験

太田川は廿日市の冠山に源流をもち、瀬戸内海にそそぐ全長103kmにわたる一級河川です。あゆ、あまご、こい・ふな、うなぎ、かになどを対象に漁業を行う組合員が参加するのが太田川漁協です。富山ゼミの学生たちは、太田川漁協が実施する河川清掃に参加させていただきました。漁協組合長、理事、総代、職員の皆さまのご協力により、あゆの塩焼き体験、河川観察とあゆの放流、川の生き物の展示と解説、あゆ漁業の様子など、盛りだくさんなメニューを体験することができました。

太田川スケジュール

太田川漁協の組合員の皆さんは、持続的に漁業を営むことに努め、あゆを始めとする水産資源の増養殖活動を行っています。学生はそうした活動の一端を知り、体験することができました。

漁協の方々と一緒に河川清掃

漁協の方々と一緒に河川清掃

大変だった河川清掃

きれいな川だけど、一人でもこんなにゴミが….とても大変でした

きれいな川だけど、一人でもこんなにゴミが….とても大変でした

 漁協の地区総代のお二人のご指導のもと、学生は河川清掃を行いました。ヨシが茂る川の中を、上流から下流に向かって1キロ近く、ゆっくりと作業をしました。思ったほどにはゴミはありませんでしたが、ヨシに絡まったビニールが多かったようです。川底には大小さまざまな形をした石があり、慎重に歩きました。流れが速く、水はひざ上までありました。お借りした胴長を着て川を進むのは大変でした。

夢中になった河川観察、アユの放流

 河川観察は思った以上に楽しかったようです。さすが、生き物に興味を抱く学生が多い生物生産学部。網ですくった生き物の名前を、漁協の組合員さんが教えてくださいました。川に入って生き物を探す体験は久しぶりだったようです。この日のために組合に準備していただいたアユを放流しました。“大きくなって子供を増やしてくれ”と念じながら放流して欲しいとのこと、印象的な言葉でした。

ひたすら川の中をのぞく

ひたすら川の中をのぞく

アユの放流もお手伝い

アユの放流もお手伝い

水辺の教室、アユ漁の話し

 太田川漁協では、小学生を対象にして移動式水族館のような活動をしていました。川に生息する生き物について、わかりやすく解説していただきました。大学生にとっても新鮮な内容でした。

 アユ漁については、投網、建網、竿釣りなど、漁具の使い方を見せていただきました。投網は以前には広く行われていたようですが、現在はあまり見かけなくなったとのこと。漁協がどのように漁業を管理しているか、具体的な話がありました。禁漁区、禁漁期間などのルールがあり、遊漁者にも守るよう監視活動を行っています。

 アユなどの放流のために、中間育成に取り組んでいます。育成施設を所有し、市や県の種苗センターと協力しながら、資源を増やそうと努力しています。ただ、アユなどの漁獲量は減少しています。漁業者が減少しているのも大きな原因かもしれません。

楽しく見聞した太田川の漁業

投網の体験

投網の体験

 参加した学生たちは河川漁業に関心をいだき、水辺の生き物に興味をもったようです。漁業者の高齢化が進み、河川漁業に明るい未来が約束されているわけではありません。ただ、資源の増養殖に努め、ルールを守って漁獲を行っている漁業者と組合がいることは確かです。参加した学生にはそのことを理解してくれたと確信します。

冨山ゼミ体験授業の発表

冨山ゼミ体験授業の発表

平成27年7月1日(水)に実施した地(知)の拠点教養ゼミ体験授業発表会における冨山ゼミ(1年生 11名)の発表概要は、以下の通りでした。

  • 広島市北西部、太田川漁協の皆様に受け入れていただき、太田川で体験授業を行いました。
  • 講義では、太田川漁協の活動について学びました。稚魚の育成、放流、漁業権の管理など、漁協の活動は、中長期での資源確保と環境の保全を目的としています。
  • アユ放流のための河川清掃を行いました。さまざまなゴミを大量に回収、「一人一人が何気なく捨てるゴミが川を汚すという意識が足りない」と実感。
  • アユの放流を体験後、生き物を観察。珍魚カマツカなど川に生息する多種多様な生物を採集しました。なお、大学に持ちかえった生物はすべて中にいたなまずに食べられてしまった。
  • お昼時、アユとサクラマスを試食。「川の恵みの大切さ、環境の大切さを思いました。」
  • アユ漁についての講義。アユの漁獲量は、平成4年度以降大きく減少、漁業従事者も減り、最盛期の1/10ほど。天敵にねらわれやすいピンク色のアユの出現(原因不明)が近年問題になっています。
  • 「このピンク色アユの原因究明と対策、ブラックバス・川鵜などの天敵対策、河川清掃など、広大が協力できる課題があることがわかりました。」
  • 「太田川漁協では、釣り(竿を貸してくれます)、アユの試食など、一般向けイベントを行っています。広大生もぜひ訪れて参加してみましょう!」