安芸太田町の井仁地域では、広島大学生物生産学部(生物圏科学研究科)との連携活動に対する期待が大きく、教養ゼミを地域として是非実施したいという意向で、学生もできるだけ多く参加してもらい、将来井仁のファンになってもらう学生を育てたいという考えである。
また、教養ゼミの実施等を通じて、広島大学生物生産学部(生物圏科学研究科)との継続的連携の仕組みができ、教養ゼミなど地の拠点活動が広島大学の伝統行事のように位置づくことを目指したいとの考えである。26年度の教養ゼミはその1期生を迎えるものと捉え、物心両面で今後に残る体験研修を考えたいとの意向である。
井仁の現状と今後の展開について
・井仁地区は、高齢化率44.6%で中国地方における過疎地域の代表的例でもあるが、平成11年に日本棚田百選、平成12年に広島県景観大賞に選ばれるなど、優れた棚田の景観などの資源を有している。少子高齢化や人口減少等により、人材不足による交流基盤の弱体化、棚田景観の維持が困難になるなどの課題がある中、平成23年度から地域計画づくりに取り組み、将来の地域のあるべき姿を模索し、広島大学生物生産学部(生物圏科学研究科)もこれに参画・支援を行っている。
・地区の拠点となる旧小学校を活用し、都市交流事業や都市住民の参入による棚田の景観保全や休耕地の活用等に向けた取り組みを行い、地区住民がこれからも棚田と共生し、美しい景観と故郷を後世に残すことに誇りをもって生きることができる地区づくりを目指している。