H29 小林ゼミ・橋本ゼミ 三次市 道の駅ゆめランド布野他

道の駅ゆめランド布野・大前農園・江の川漁協

体験学習 橋本ゼミ・小林ゼミ

担当ゼミ責任者 橋本俊也・小林元

地(知)の拠点担当教員 大泉賢吾・細野賢治・山尾政博

今年で4度目になる道の駅ゆめランド布野を拠点にした教養ゼミの体験学習は、少しずつその内容を変えています。昨年の教養ゼミ体験学習の日には、三次市の瀨﨑副市長のご臨席の下、酒かすアイスのお披露目会が開かれました。今年はアイス作りをしませんでしたが、道の駅の経営方針や活動に関する学習、合鴨農法の水田除草、江の川漁協の辻駒組合長他組合員の皆様による講義と投網実技、アユの塩焼き体験、大前農園でのアスパラ収穫、など多彩な活動が準備されていました。橋本ゼミ、小林ゼミに分かれて午前と午後に別スケジュールで行動しましたが、活動内容はほぼ同じでした。ただ、残念ながら午後に雷雨があり、1つのグループの合鴨農法の水田作業が中止になりました。

道の駅ゆめランド布野の活動:道の駅廣田代表取締役の講義

廣田代表取締役からは、これまでの道の駅の活動の様子がわかりやすく説明していただきました。道の駅ゆめランド布野は、三次市を南北に走り松江方面に向かう国道、歴史街道と呼ばれる国道54号沿いに位置しており、市や地域団体が出資する株式会社布野特産センターが運営している施設です。最近開通した中国横断自動車道・中国やまなみ街道の影響を受けて、国道を通行する車の数が減り、そのあおりを受けて道の駅の利用者数は減っています。

道の駅では、レストラン、直売所、アイス屋さんの運営などを中心に、三次市布野町・作木町の活性化をめざした努力を続けられておられます。バイキングを目的に来てくださる方は多く、広島大学との共同で開発された「オリゼさんのアイ酒」を販売しているアイス屋さんの人気は有名です。直売所には新鮮な野菜が並んでいます。

私たちはこの道の駅を拠点にした教養ゼミ体験学習とインターンシップを4年にわたって実施してきました。それは、道の駅そのものが多彩な活動を準備しておられるからに他なりません。道の駅のあり方に一つのモデルを提供しているのではないかと思われます。

写真:廣田代表のお話し

合鴨農法の水田除草作業

小林ゼミの学生は、合鴨農法を実施する水田に入り、除草作業を行いました。合鴨だけでは除草できない場合があり、人が中に入って作業する必要がでてきます。水田に入りなれていない学生は、歩くのに苦労をしていました。草取りが大変であることを実感しました。

写真:合鴨農法の水田の除草作業

 

江の川漁協の皆様による講義と体験

道の駅の裏川を流れる神野瀬川には、親水公園があります。当初はここで河川清掃を行う予定でしたが、数日来の雨のため流量が増えて危険と判断いたしました。道の駅にて、江の川漁協の辻駒組合長から持続的な河川漁業のための諸活動についてお伺いいたしました。アユの漁獲量が年々減少する要因はいくつかありますが、河川環境の悪化によってアユが食べるコケが減ってきているのが指摘できます。漁協ではアユの放流に力を入れています。河川のことを理解してもらうために、小学生などのアユの放流体験も行っています。

投網は思った以上に難しく、うまくは投げられません。ただ、学生はとても楽しく、初めての体験に挑戦をしていました。ご指導をしていただいた組合員の皆様、ありがとうございました。

漁協からご厚意で差し入れていただいたアユを、串刺しにし塩焼きにしました。最近はアユを食べる機会が減っていますが、学生たちもあまり食べたことがなかったようです。アユの香ばしさを味わい、昼食時におかずとして美味しくいただきました。

写真:アユの串刺し

 

写真:投網

 

大前農園でのフィールド講義とアスパラガス収穫

大前農園では、アスパラガスについてのお話しをお伺いし、収穫作業を行いました。大間農園は水稲29.3ha、アスパラガス38a、イチゴ11a、野菜99.9a、大豆30a、合計で47.18haという規模です。以前は露地でアスパラガスを栽培していましたが、現在はハウス栽培が中心です。

アスパラガス栽培では、省力施肥の実施、自走式ロボットの防除機、灌漑施設の整備など、省力化と効率化に努めておられます。土づくりでは、地元の畜産農家から半熟堆肥を搬入し、完熟可させて圃場に施肥しています。そうした努力が認められて、平成16年には、アスパラガス生産者では広島県内初のエコファーマーの認定を受けています。今では、環境保全型の農場として有名です。

学生たちは、大前さんの指示にしたがって一定の長さになるよう慎重に収穫していました。キズのついたアスパラガスは市場価値が下がってしまいます。毎日収獲しなければいけない生長の早い作物ですが、適切なサイズの時に確実に収穫しなければなりません。学生たちは、単純な仕事を大切にすることの難しさを感じたようです。

大前さんからアスパラガスを差し入れていただき、昼食時にアユとともに焼いて食べました。圃場で食べた生のアスパラガスと同様、甘味のある美味しさでした。

多様な活動ができる布野・作木町の魅力

学生たちは道の駅を拠点にした様々な活動を体験し、地域がもつ魅力を強く印象づけられていたようです。学生はお世話になった方々に深い謝意を表しました。体験学習を通じて、学生は三次市に強い愛着をもちました。

お世話にあった皆さんに感謝いたします。

行政や地域の方々のおかげで、とても有意義な体験授業になりました。今後とも、よろしくお願い致します。