H29秋冬の体験学習

安芸太田町井仁地区の収穫体験会

地(知)の拠点担当教員 大泉賢吾・山尾政博

体験会への参加

1年生を対象にした教養ゼミの体験学習が終わり、連携市町で実施された夏休みのインターンシップも無事に終了しました。体験学習の最後になる稲の収穫作業が、10月1日(日)、安芸太田町の井仁地区で実施されました。

井仁地区では棚田体験会として、6月初旬に田植え、10月初旬に稲刈りを実施しています。この体験会は一般市民を対象にしておりますが、地(知)の拠点活動の一環として、中山間地域・島しょ部領域では、この4年間二つの棚田体験会に参加してきました。今年の収穫作業には、一般市民60名が参加され、広島大学からは学部学生17人、留学生(AIMS関係とTA)18人、教員2人、それにコーディネータ1人の38人が参加しました。

この体験会を主催するのは、井仁地区のイニピチュ会です。中山間地域・島しょ部領域では、この活動をお手伝いしています。参加者は4つのグループに分かれて収穫作業をしますが、イニピチュ会の皆様がリーダーに、それを広大生がサポートする役割を果たしています。その他に受付作業等もお手伝いしています。

活動スケジュールと稲刈り作業

体験会の午前中はひたすら稲刈りとはさがけでした。体験会の収穫作業は4枚の田で行われました。いずれも春の田植え体験会で市民参加者の皆さん、それに広大生が植えたところです。倒伏ぎみのところが多く、作業は思ったよりしんどいものになりました。まずは、リーダーから刈り取り作業の注意を受け、手本をみせてもらって作業にかかりました。

写真:春の田植え体験会の稲の様子

写真:市民の皆さんと一緒に作業

写真:順調に進んだ作業

稲刈り作業は比較的順調だったように思われました。ただ、倒伏ぎみの田では思った以上に時間がかかりました。また、子供たちの人数が多かったところでは、刈り残しがでたようでした。イニピチュ会の班長の指示にしたがって、倒伏の稲を刈り取る方向を変えると作業が楽になります。刈り残しのないよう丁寧に作業をしました。

 

はさがけ作業の大変さ

稲刈りからはさがけ、特に稲の束を結ぶ作業が思ったようにはできません。慣れるまでには時間がかかります。ひたすら結束するのも意外に疲れます。結びが緩く、何度も結び直しをした田もありました。それでも、束ねた稲をかけていくと、稲刈りをしたという充実感が増していきます。できあがったはさがけの前で記念撮影をする学生たちがあちらこちらに見受けられました。

写真:はさがけの間(イニピチュ会、市民の皆さんと)

棚田米の昼食

昼食はやや遅い時間になりました。今年収穫したばかりの棚田米、豚汁、それに各種のお漬物を準備していただきました。珍しいのは、そうめん瓜の酢のものです。他の地域ではあまり食べられないものです。なお、当日のお品書きは、広大の院生が準備したものです。とても評判でした。

昼食時、学生の皆さんは一般参加者、井仁の地域住民との交流を楽しんでいました。

井仁地区の散策

食事後のアトラクション、閉会式の後、学生は自由参加のもと地域内の散策を行いました。この散策で学生の皆さんに見せて欲しいものが二つありました。ひとつは、きれいな棚田をもつ井仁地区の人口減少の実態です。少し歩くと、朽ちかけた家、鍵の閉まったままの家が目につきます。その周りには荒れた農地が点在しています。誰も実をとらないままの柿の木、栗の木があります。

いまひとつは、利用される農業資源、利用されない農業資源を観察することです。高台の見晴らしのよいところに立った際、棚田の光景が想像していたのと違うことに気付いた学生が多くいました。収穫が終わったばかりの田は整備されていてよくわかりますが、山際にちかづくほど荒れた緑が広がっています。また、井仁地区は鳥獣害被害を受けないように高い柵で囲まれています。柵の外と内では、農業資源の使い方が違っています。これまでは柵の外側はともかく、内側をどう守るか努力をしてきました。しかし、高齢化等によって内側の農業資源の維持もきつくなっているのが実態です。

写真:刈り取ったばかりの棚田、その横に広がる未耕作地

アジアからの留学生はもちろん、参加学生の多くが広島県内の条件不利地域と呼ばれる地域の農業・農村の厳しさを実感したようです。

イニピチュ会の皆様、参加した市民の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。