H27 井仁棚田収穫祭参加

秋の体験会 井仁棚田体験会の報告 (2015年10月4日)

 棚田米の収穫体験

 安芸太田町井仁地区に、稲の収穫時期がやってきました。井仁地区では台風や大雨の影響で倒伏してしまった田が目立ちましたが、黄金の稲穂の波がとてもきれいでした。今年の春、生物生産学部の学生が田植えをした稲も、イニピチュ会の皆様のご協力のもとすくすくと育っていました。秋の体験会は、広大COCがお借りして田植えをした稲を刈り取るとともに、同日にイニピチュ会が開催した「井仁棚田体験会」に参加することも目的にしていました。 井仁棚田風景

 秋の体験会は春に体験学習を実施した教養ゼミの学生に加え、広く生物生産学部、生物圏科学研究科に呼びかけたところ、39人もの学生・院生が参加してくれました。AIMSプログラムで生物生産学部に留学しているタイ人学生、その他の国の一般留学生、それに他学部の学生の参加もありました。

 

 イニピチュ会が主催する棚田体験会への参加

 10月4日(日)は、例年、井仁地区が開催している棚田体験会(稲刈りの部)の日です。今年はご無理をお願いして、広大COCの活動をこの中に組み込んでいただきました。そのため、参加学生を一般市民が参加する棚田体験会を支援するグループと、広大COCの田で稲刈りをするグループとの二つに分けました。

 イニピチュ会主催の棚田体験会は、今年で17回目を数える県内でも広く知られた活動です。春の田植え、秋の稲刈りに参加する人は毎回100人を超え、リピーターとして井仁地区の棚田農業を支援する人が多くいます。広大生物生産学部の食料生産管理学研究室では、当初は教員が学生・院生を引率して、お客さんとして体験会に参加していましたが、5~6年前からはこの会を支える活動をしています。

3棚田実施要項

 一般市民稲刈り体験会

  イニピチュ会は、参加者を3班にわけて稲刈りと交流を行いました。班長は井仁地区の住民が務め、広大の3・4年生や院生がこれに副班長として加わります。学生たちは、鎌の持ち方から刈り方を参加者に説明し、束ねてはさがけにする作業をお手伝いします。学生たちは作業を通してイニピチュ会に集まる住民、それに参加者との交流を深めました。

 

広大COC田の稲刈り作業

 20人近くの学生は、広大COCが借りている1反(10アール)近くある田の稲刈りを行いました。イニピチュ会の河野会長による模範作業と説明を受け、最初は慣れない手つきで鎌を扱っていましたが、すぐに慣れたようです。ただ、束ねる作業が思った以上に難しく、しっかりと結ばれていないために、ほどけてしまう束がありました。2時間かけて稲刈りとはさがけを終えることができました。最初は賑やかだった学生たちも、作業が進むにつれて黙々と手を動かしていたのが印象的でした。

棚田の三つ子

棚田米の昼食、井仁地区の散策

 作業を終えた後は、棚田米と井仁でとれた野菜や山菜の漬物、それに豚汁の昼食をおいしくいただきました。地域の婦人グループの皆さんが心をこめて準備してくれたものです。

3棚田スケジュール概要

 昼食後は井仁地区の住民の方の案内で散策を行いました。井仁地区の棚田を一望できる場所に向かい、その途中では珍しい木の実について説明を受け、実際に味わってみました。植物のことはもとより、イノシシを始めとする鳥獣の被害についても教えていただきました。学生たちは、美しい棚田風景を維持するための努力がいかに大変であるかを実感したようです。

  散策を終え、棚田米で作ったおにぎりや漬物、柿などをお土産にもらって帰途につきました。

 秋の稲刈り体験会は、井仁地区の風景の素晴らしさ、豊かな棚田の郷の資源を観察してもらい、また、住民や体験会に参加した市民の皆さんとの交流を深めてもらうように計画をいたしました。留学生を含む参加学生の多くに満足していただけたようです。

 イニピチュ会会員と地域住民の皆様、また班で交流していただいた一般参加者の皆様、ありがとうございました。感謝いたします。