平成26年度秋冬体験学習 呉市大崎下島大長

大長宇津神社 櫓祭り

  2014年9月27日、生物生産学部の学生を中心に18名が、呉市豊町大長地区を訪問し、地域の伝統行事「櫓祭り」に参加しました。 

26大長1 大長は、かつて日本初の早生ミカン産地として栄え、黄金の島と呼ばれるほど活気ある島でした。しかし、近年は、みかん産業の低迷や農業の担い手の高齢化・後継者不足により、町の伝統行事である櫓祭りの存続も難しくなっています。祭りをはじめとする伝統行事は、その地域の歴史や文化を特色づけるだけではなく、地域住民にとって交流の場となり、他出した家族の帰省の機会にもなります。その消滅は、地域の疲弊を加速させることにつながります。

 祭りの存続と賑わいづくりのため、地域住民の要請を受けて、2013年から、広島大学生物生産学部の学生・院生が、祭りに参加するようになりました。

26大長3 「櫓祭り」は、毎月9月の最終土曜日に宇津神社前広場を舞台に行われる秋季例祭です。宇津神社は2100年を超える歴史を持ち、櫓祭りは250年前にはすでに行われていた大長地域の重要な伝統行事です。祭りでは、1.5m四方の題材に7枚の赤い大布団を重ね、高さ3m近い大櫓が練り歩きます。櫓の台座上には太鼓を打つ子供、かつぎ棒の上で掛け声をかける8人の子供が乗り、総重量は2トンにもおよびます。

 今年度は、昨年度(13名参加)に引き続き、学生18人(留学生2人含む)、社会人2人が「櫓祭り」に参加し、4分区(大長地区内にある5つの地域区分のひとつ)が担当する、宮出し(神輿を神社から出すこと)と昼回し(宇津神社前広場で分区ごとに櫓をかつぐ)に参加しました。

26大長4昨年度から継続参加の学生が8名おり、昨年度交流した地域の方と学生が再会でき双方が喜んでいるようすが見られました。また、参加人数が増えたことで、学生も地域の方もにぎやかになったと評価しています。

 活動後の調査結果から、学生の祭り参加による地域への効果として、「学生との交流により、地域の魅力を再発見すること」や、「新たな生甲斐の創出」、「地域の子どもたちが大学生と触れ合うことができる」などさまざまな効果があることがわかりました。また、このような場を今後も持ち続けるために、行政・地域・大学との連携方法を検討するとともに、域学連携の体制を確立するために何が必要か、考えていければと思います。